ダナン観光ガイド保存版|初めてでも失敗しないベトナム中部の歩き方

ベトナム中部の港町ダナン。名前は聞いたことがあるけど、「正直どんな街なのかいまひとつピンと来ない」という人も多いのではないでしょうか。
僕自身も、最初はそうでした。ホイアンへ行く途中に寄る街?フエとホイアンの間にある空港の街?そのくらいの認識だったと思います。
ですが、実際に数日滞在してみると印象はかなり変わりました。リゾート地ほど気合いは入っていない。でも、ローカルすぎて疲れるほどでもない。街としてのサイズ感、移動のしやすさ、物価、そしてリゾート感。そのバランスが、思っていた以上に良いんです。
そして現在のダナンは、いわゆる「発展途上の勢い」だけでなく、住みやすさをちゃんと意識して作られている街という感じがしました。スマホ決済やGrabは当たり前のように使える一方で、朝になると路地裏から鍋の音とスープの匂いが漂ってくる。その混ざり具合が、なんとも言えず心地いい。
このページでは、そんなダナンを「どう歩くか」「どう拠点を取るか」という視点でまとめています。
ダナンの都市構造を知る|川と橋が作る街の歩き方
ダナン観光最大のコツは、街の構造をざっくり掴むこと。ダナンは、ハン川にかかる橋の存在がかなり重要で、川を境に性格がはっきり分かれている街です。
観光的にも分かりやすく、「今日は市内側」「今日はビーチ側」と、ざっくりテーマを決めて動くと無駄が少なくなり、逆に、朝は市内、昼はビーチ、夕方また市内…と行ったり来たりすると、意外と移動で疲れます。ダナンはコンパクトな街ですが、川をまたぐかどうかで体感距離が変わる気がします。
【西側】市内・行政・ローカル色が強いエリア

ハン川の西側は、いわゆる市内エリア。ダナン国際空港、行政機関、地元の人が通う市場や飲食店が集まっています。
このエリアは、観光地っぽさは控えめですが、その分生活感があります。朝の通勤時間帯はバイクが一気に増えますし、歩道に普通に屋台が出ていたりもします。
ただ、「空港から近い」「食事が安くてローカル色が強い」という理由から、短期滞在や到着日・帰国前泊にはかなり便利です。
夜遅くに到着した日はこのエリアに泊まりますが、チェックイン後にふらっと食べたフォーが妙に美味しかったのを覚えています。
【東側】ビーチ・ホテル・観光色が強いエリア

一方、ハン川の東側は完全に雰囲気が変わります。ミーケービーチを中心に、リゾートホテルや観光客向けのレストランが並ぶエリアで、道も広く歩道も比較的整備されています。夜になると散歩している旅行者も多く、「ああ、観光地に来たな」という空気に浸れます。
観光でダナンを訪れる方も、宿泊はこのビーチ側を選ぶ人が多いと思います。海が近い、景色がいい、ホテルの設備が安定している。そのあたりは、やっぱり安心感があります。
ただし、市内中心部や空港へは毎回橋を渡ることになります。距離としては大したことありませんが、時間帯によってはGrabが捕まりにくい事もありました。このあたりは、少しだけ余裕を持った方が良さそうです。
ダナンの気候と天気|「雨季・乾季」だけで考えると失敗しやすい
ダナン旅行を考えるとき、避けて通れないのが天気の話です。ガイドブックなどでは、「乾季がベスト」「雨季は避けたい」と書かれている事が多くあります。
もちろん、大枠では間違っていませんが、実際に現地を歩いてみると、その二分法だけでは判断しきれない場面も多いと感じました。
ダナンは熱帯モンスーン気候。しかも近年は、雨の降り方や台風の動きが少しずつ変わってきているようで、「例年通り」を前提にすると、旅程がズレることもあります。
2月〜5月|いわゆるベストシーズン
この時期のダナンは、正直かなり快適です。
空は抜けるように青く、湿度も低め。平均気温は23~32°Cと日中は暑いものの、日本の真夏のような日差しの痛さはありません。
街歩き、ビーチ、ホイアン日帰り。どれを組み合わせても無理がありません。
注意点があるとすれば、航空券とホテル代が上がりやすいこと。特に春休みや連休にかかると、価格は一気に跳ねます。予定が固まっているなら、早めに押さえるのが無難です。
6月〜8月|サマーシーズン・暑さとの付き合い方がカギ
夏のダナンは、とにかく日差しが強めです。気温も30℃を軽く超えますし、昼間に無理をすると体力を持っていかれます。ただ、雨はそこまで多くありません。夕方にスコールが来ることはありますが、短時間で止むことがほとんどです。
この時期は、朝は観光~昼はホテルや屋内施設で休憩~夕方以降に再始動という時間をずらした動き方がおすすめ。
この時期はベトナム国内の夏休みとも重なるので混雑しがち
9月〜11月|雨季は「覚悟」と「余裕」が必要
この時期は、できる事ならダナン旅行を避けたい時期でもあります。雨の量が増え、台風が近づくことも珍しくありません。雨といっても、日本の昔ながらの梅雨のように一日中しとしと降る、というより「一気に降って、一気に引く」タイプ。近年の日本でもよくある夏場のゲリラ豪雨を想像してもらうと分かり易いかもしれません。
道路が一時的に冠水したり、Grabやタクシーが殆ど捕まらなくなったり。スケジュールを詰め込みすぎていると、痛い目にあいます。
この時期に行くなら「荒天ならホテルで過ごす」くらいの余裕を最初から組み込んでおく方が安心です。
大雨や満潮が重なると、特定のエリアで水が溜まりやすくなります。
市内中心部や、ミーケビーチ周辺でも、路地に入ると足元が濡れることがありました。
高級ホテルが並ぶエリアでも例外ではありません。「ビーチ沿い=安心」と思い込まない方が良さそうです。
この時期は、主要道路沿いで敷地が広く、館内施設が充実しているホテルを選ぶと、快適に過ごせるでしょう。雨で外に出られない時間があっても、スパやレストラン、キッズ向けスペースがあるだけで、滞在の満足度は大きく変わります。
雨具は傘よりポンチョ
これは完全に実体験ですが、スコールの中では傘はあまり役に立ちません。現地の人が使っている薄手のポンチョ。あれが最強です。
足元は濡れる前提で、サンダルなどの乾きやすい靴。スマホやカメラは、念のためにビニールや防水バッグに入れておきましょう。
12月〜1月|観光は快適、海は控えめ
年末年始のダナンは、少し涼しくなります。日中でも25℃前後。長時間歩いても、汗だくにはなりにくい印象。その代わり、海は波が高く、遊泳禁止になる日も多めです。ビーチ目的だと、やや物足りないかもしれません。
一方で、街歩き、五行山、ホイアン散策といった観光は、むしろやりやすい時期です。「泳がなくてもいい旅」なら、十分選択肢に入ります。
ダナン観光での移動手段(タクシー/Grab)と両替
ダナンは、東南アジアの中ではかなり移動しやすい街です。空港は街のど真ん中にあり、主要な観光エリアもコンパクト。
治安は悪くありません。でも、“観光客慣れした街”特有のトラブルは、ちゃんと存在します。ここでは、移動と両替に焦点をしぼり実際に使ってみて一番良かったと感じた方法を中心にまとめます。
移動はGrab/偽のGrab客引きに注意
ダナン国際空港は、本当に街から近いです。ミーケビーチ周辺のホテルなら、車で15分もかかりません。空港の出口付近には、「タクシー?」「Grab?」と声をかけてくる人が、かなりの確率でいます。
中には、スマホ画面を見せながら「Grabだよ」と近づいてくる人もいますが、Grabを装った客引きも確認されています。
現地SIMや空港wi-fiなどを使いアプリから配車。指定されたピックアップポイントで待つ。これを厳守するようにして下さい。
Grabを利用すれば料金は事前に確定しますし、クレジットカード決済にしておけばお金のやり取りも不要(ただし日本のクレジットカードでは登録できないとの情報もあり)。初日のストレスがかなり減ります。
そして、市内滞在中の移動も正直ほとんどGrabで済みます。ホテル → レストラン、ビーチ → 市内中心、ダナン → ホイアンどれもGrabで問題ありません。
料金も、日本のタクシーと比較するとかなり安く、家族連れや複数人なら、無理に歩かずGrab一択でいいと思います。一点だけ注意するとすれば、雨が強い時間帯。スコールの直後はGrabが捕まりにくくなります。
そういう時は、「少し待つ」か「ホテルのフロントなどで信頼できるタクシーを頼む」事が大切です。
レンタルバイクは“自由”だけど、現実的には非推奨

ダナンの街を見ていると、バイクだらけです。「これ、乗れたら楽そうだな」と思う気持ちもわかります。ただ、日本人旅行者に限って言うと、絶対におすすめしません。
- 日本の国際免許はベトナムでは有効にならない
- 取り締まりが以前より厳しい
- 事故時、保険が効かない可能性が高い
これらのリスクを背負ってまで乗る価値は、あまり感じられません。特に家族連れならなおさら。Grabや、もし心配なら1日チャーターしてしまっても、そこまで高額にはなりません。
両替|空港で最小限、市内で必要分
ベトナムドンは、とにかく桁が多い!初日は、ほぼ全員が一度は混乱するでしょう。もちろん例に漏れず私も最初はやらかしました。
それはともかく、空港にも両替所はありますが、レートは正直あまり良くありません。これについては世界共通と言っても良いのではないでしょうか?旅慣れた方であれば空港で最小限の両替を済ませ、市内に出てから再び両替を…という経験はあるかと思います。
ベトナムももちろん同様で、手間や市内での両替に不安を感じないのであれば、空港では最低限の両替に留め、市内に出てから…具体的には、ハン市場周辺にある**貴金属店(ゴールドショップ)**の方が、レートが良いことが多いです。
ただし、ここはちょっと注意が必要。「その場で必ず枚数を数える」「周囲に人が多い店を選ぶ」「急かされても落ち着いて対処する」この3つは意識しておいた方が安心です。
ベトナムドンの扱い方|財布の中で分けるだけで楽になる
ベトナムドンは硬貨がなく、全部紙幣。しかも、色が似ています。慣れていないと20,000ドンと500,000ドンを間違えそうになります。実際、焦っているとやりがちです。
対策はシンプルで、財布の仕切りなどを活用して高額紙幣と少額紙幣を分けて入れておく事。最近は観光客が多く来る店ではクレジットカードも使える店が増え、キャッシュレスでも以前ほどの窮屈さは感じません。「全部現金で持たなきゃ」と構えすぎなくて大丈夫です。
宿泊エリアの選び方|どこに泊まるかで旅の趣旨が変わる
ダナンは、ホテルの数がとにかく多く、値段の幅も広いです。選択肢が多い分「なんとなく良さそう」でホテルを決めると、少し後悔するかもしれません。ダナンは、「どこに泊まるか」で“楽しい旅”にも“なんとなく疲れる旅”にもなります。ざっくりですが、
- 初ダナン・家族連れ:ミーケビーチ周辺
- 街歩き重視:ハン川沿い
- 何もしない贅沢:ソンチャ半島
- 長期滞在・自由派:アントゥオン
この方向性で考えると、大きく外れないと思います。
ミーケビーチ周辺|初ダナンなら、まずここで間違いない
初めてダナンに来る人から良く名前が挙がるのがミーケビーチ周辺のホテルです。
朝、カーテンを開けると海!夕方はビーチ沿いを散歩!
夜はGrabで街に出てもいいし、リゾートホテルが多いこのエリアではホテルでゆっくりしてもいい。この“選択肢の多さ”が人気の理由で、特に家族連れだと、子どもが疲れたらすぐホテルへ戻れる/ホテル内で一日遊べる/食事も無理に外に出なくていいという安心感は大きいのではないでしょうか。
フラマやハイアットのような大型リゾートは、正直「街歩きの面白さ」は少し薄れますが、その分安心感は格別ですし、雨に当たってしまっても、スパやプール、レストランが充実しているので「今日はホテルでいいか」と割り切れます。
ハン川沿い・市街地|ダナンの日常に一番近い場所
ビーチより、街の空気が好き!ローカルご飯を気軽に食べたい!そんな人には、ハン川沿い・市街地エリアがおすすめです。
この辺りに泊まると、朝はローカルカフェ、昼は市場、夜は川沿いの散歩という、“暮らす感覚”に近い時間の流れを体験する事ができます。
ハン市場やピンクの教会も徒歩圏内なので、「今日はGrab呼ばずに歩こうか」が自然にできるのも、このエリア。夜になると、ドラゴンブリッジのライトアップや、週末の火吹きイベントが見えるのも、このエリアならではです。
ただし、ビーチに行くには毎回Grabが必要な事や、リゾート感は正直ほぼありません。プールで一日過ごす、という感じでもない。観光の拠点として動きたい人向けという印象です。
ソンチャ半島|完全に切り離された“別世界”
ここは、正直に言うと「ダナン」というより「ダナン近くの陸の孤島」です。
おしゃれな雰囲気が漂い、ハイアットやインターコンチネンタルのような高級ホテルに泊まると、比較的お手ごろな価格で高級リゾート体験する事が出来ます。ハネムーンや、「今回は何もしない」と決めた旅には最高ですが、市街地まで20〜30分ほどかかる点には注意が必要。
初ダナンで、ベトナムの街を感じたい人には、少し“隔たりすぎている”とも感じました。
アントゥオン地区|自由度は高いが、人を選ぶ
ミーケビーチ南側のアントゥオン地区は、いわゆる外国人街。カフェも多国籍料理も揃っていて、英語も通じやすい。
長期滞在や、ノマド的な旅にはかなり居心地がいいと思います。ただ、夜は賑やか。音も人も多い。子ども連れや、「夜は静かに寝たい」タイプの人には、少し合わないかもと私は感じました
ダナン|ハン市場とコン市場の使い分け
ガイドブックでは並んで紹介されがちなハン市場とコン市場ですが、実際に行ってみると、役割はかなり違います。
ハン市場|短時間・無難・観光向け

ハン市場は、通路も広くて明るめ。日本人や韓国人の姿も多く、正直、気持ちはラクです。
・ちょっとしたお土産
・軽く食事
・暑い中で長居したくない時
こんな使い方なら、ちょうどいいですが、値段は最初から観光地価格。値切り前提の空気感なので、交渉が苦手な人には、少し疲れるかもしれません。衛生面が気になる場合は、比較的清潔なハン市場の2階フードコートを利用するのも一つの手です。
コン市場|ダナンの「普段のごはん」

一方のコン市場。ここは完全に地元の台所です。通路は狭く、人も多く、最初はちょっと圧倒されるかもしれません。でもフードエリアに一歩入ると、ミークアン、ブン、チェーが並び、どれも数万ドン。
子ども連れで行ったとき、「これ本当にこの値段でいいの?」と思わず確認してしまったほどです。衛生面が気になるなら、人が多い店を選ぶようにしましょう。
まずはこれを食べたい、ダナンの定番料理4つ
ダナンで感じたのは、食事のハードルが低いということ。100円台の料理でも普通においしい。お洒落なレストランも確かにいいですが、観光客向けレストランに入らなくても、街のあちこちに美味しい食事の選択肢があります。
ただし一方で、「知らないと引っかかるポイント」も!まずはダナン観光で押さえたい定番料理を4つご紹介します。
ミークアン(Mì Quảng)

ダナン・クアンナム地方の魂とも言える麺料理。きしめんのような平たい米麺に、ウコンで黄色く色付けされた少量の濃厚なスープを絡めて食べる「汁なし混ぜ麺」に近いスタイル。最初は少し薄味に感じますが、ハーブと一緒に食べると、不思議とクセになる。朝から食べている人も多く、重くならないのがありがたい。
Mi Quang 1A(ミシュラン掲載歴あり、地元で絶大な知名度)、Mi Quang Ba Vi、Mi
バインチャンティットヘオ(Bánh Tráng Thịt Heo)
いわゆる「豚肉のライスペーパー巻き」。茹でた(または蒸した)豚バラ肉のスライスを、たっぷりのハーブや野菜と共にライスペーパーで巻き、特製の発酵魚介ダレ「マムネム(Mắm Nêm)」につけて食べる。
このタレ、正直かなり匂います。でも、慣れると「これがないと物足りない」味。好き嫌いは分かれますが、一度は試してほしいです。
Quan Mau(地元民に愛される名店)、Quan Tran(観光客にも入りやすい清潔な店舗)
ブンチャーカー(Bún Chả Cá)

魚のすり身入をトッピングした魚介ベースの麺。朝食にちょうどいい。脂っこくなく、胃に優しいのに、ちゃんと満足感があります。
Bun Cha Ca 109、Bun Cha Ca Hon、Bun Cha Ca Ba Phienなどが有名店
バインセオ(Bánh Xèo)

ベトナム風お好み焼き。南部の大きなバインセオとは異なり、中部のものは小ぶりで、乾いた柔らかめのライスペーパーに野菜と一緒に巻いて食べるスタイルが一般的。見た目より軽く、タレが店ごとに違うので、ここは当たり外れも含めて楽しむ感じです。
Banh Xeo Ba Duong
路地裏の奥にある店で常に満席の超有名店。ソースの味が唯一無二と評される
海鮮は要注意|実際にある計量詐欺
これは、必ず書いておかないといけない話です。ダナンは海が近く海鮮がおいしい。これは事実。でも、観光客向けの一部の店では、計量詐欺が実際に起きています。
具体的には、生きた魚介類を水槽から選ぶ際、厚手の袋に水を入れ重量を増やす、あるいは注文時とは異なる鮮度の落ちた食材に調理場ですり替える、といった手口が報告されています。また、メニューの価格表記が「100g単位」か「1kg単位」かを曖昧にし、会計時に高額請求するケースもあるそう。
計量の時に水を入れているのを見ると、鮮度維持の為に入れているだけで、日本の量り売りの容器みたいにちゃんと重量は差し引かれている…とか思うじゃないですか。
計量式の場合は必ずしもそうとは限らないのでご注意を。
対策としては必ず計量に立ち会う事と、水も入れるようであれば切って、とジェスチャーで伝える。地元客が多い店を選ぶという基本的な対策が必要です。
実際に行って安心だったのは、Ba ThoiやNam Danhのような、地元の家族連れで賑わっている店。観光客ばかりの店は…個人的にはちょっと安心できないんですよね。
ダナンでの観光スポットのめぐり方
ダナンの観光地は、数だけ見ればそこまで多くありませんし、街自体もそこまで大きくありません。でも、観光計画を詰め込み過ぎると体力消費が意外と大きくなります。
最初は「午前バーナーヒルズ、午後五行山、夜は市内」みたいな欲張った計画を立てていましたが、不慣れな海外でこのスケジュールは正直キツかったです。ダナン観光は、1日1メイン+軽め1つくらいで、ゆったりした時間を楽しんでみるのも良いかもしれません。
バーナーヒルズ|ゴールデンブリッジは“時間帯”が重要
バーナーヒルズは、写真で見るよりずっとテーマパーク感が強い印象を受けました。神の手(ゴールデンブリッジ)は確かに圧巻。ただし、時間帯を間違えると、「人の写真を撮りに来たのかな?」という状態になります。
ケーブルカーの始発は、だいたい7時半〜8時ごろ。ここを狙うと上に着いた時点では、まだ団体客も少なく、ゴールデンブリッジも比較的落ち着いています。
実際、朝イチで橋に立ったときは、人の流れが途切れる瞬間があり、あの巨大な手と、谷の向こうの景色をちゃんと自分の目で見る余裕がありました。
一方で、もう一つの選択肢が夕方です。16時を過ぎると、日帰りツアー客が下山し始め、橋の上の空気が変わります。光は少し柔らかくなりますが写真映えを意識しないのであればこの時間帯も悪くありません。
山頂は本当に涼しいです。市内が30度でも、体感は別世界。薄手の羽織りは、カバンに入れておくと助かります。
五行山|想像以上に“登る”ので心構えを

五行山は、正直、軽く見ていました。エレベーターがあると聞いて、「楽勝だろう」と思っていたんですが、洞窟や寺院を回るには、急な石段を使わなければならない場所や足元が滑りやすい箇所も多く、普通に汗だくになります。

特におすすめはフエンコン洞窟。ベトナム戦争時には野戦病院としても使われた歴史的場所ですが、現在は綺麗に観光整備されており天井から差し込む光は本当にきれいで、一瞬、音が消えたような感覚になります。
ソンチャ半島とレディブッダ|静かな時間が流れる場所
高さ67mの白い観音像、レディブッダはダナン市内のどこからでも見える存在感。実際に行ってみると、観光地というより信仰の場所という空気が強く、地元では漁師たちの安全を守る守護神として信仰されています。
観音像の足元から見下ろす海と街は、派手さはないけど、じわっと来る景色。運が良ければ、アカアシドゥクラングール(*猿の仲間)を見かけることもあり、双眼鏡があれば、ちょっとした探検気分を味わえます。
※この写真のアカアシドゥクラングールはダナンの物ではありません
ドラゴンブリッジ|近づきすぎないのがおすすめ

土日21時のドラゴンブリッジでは火と水を噴くショーが行われ、間違いなく盛り上がります。ただ、橋の上で見ると、人が多い/立ち止まれない/水をかぶる可能性あり と子ども連れだと、少し大変です。
個人的には、DHCマリーナ周辺や、川沿いのカフェから眺めるのがおすすめ。
ダナンのファミリー・子連れ旅行ガイド
ダナンは、子連れで来てみて、改めて良さを実感しました。治安が良い、物価が安い、といった条件面ももちろんありますが、それ以上に大きいのは、子どもに対する優しさでした。
レストランでも、カフェでも、モールでも、子どもが少し騒いだからといって、露骨に嫌な顔をされることがほとんどありません。この空気感は、親にとって想像以上に助けになります。
ダナンは子連れでも天候が崩れた時の「逃げ場」が多い
ダナンはビーチリゾートとして有名ですが、雨季やスコールの日に当たると一日中外にいられないこともあります。そんなときに頼りになるのが、市内に点在するキッズカフェです。
たとえば Namto Premium Kids Cafe は、とにかく清潔で、広々。ボールプールやごっこ遊びのコーナーが分かれていて、年齢が違う兄弟でも、それぞれ無理なく遊べる造りでした。
もう少し“預かり感覚”が強いのが DD Wonderland。スタッフの見守りが手厚く、定期的にミニイベントも行われています。「ちょっと座ってコーヒーを飲みたい」そんな親の正直な願いを、ちゃんと叶えてくれる場所です。
ショッピングモールが、そのまま遊び場になる
市内中心部にある ヴィンコムプラザという大型ショッピングモールも、子連れではかなり使い勝手が良く感じます。単なるショッピングモールではなく、屋内キッズスペースやアイススケートリンクなども併設されており、天候に左右されずに大人も子供も楽しむ事ができます。
今日は観光を詰め込みすぎたな~と思った時に無理なく家族で休憩できる場所があるのは、旅行全体のリズムを保つうえで重要ではないでしょうか。
ダナンでのビーチ遊びは時間帯に注意して
ミーケビーチは、乾季であれば波も穏やかで、遠浅。子どもと一緒でも安心感があります。ただし、日中の砂浜は想像以上に暑く、裸足では立っていられないほど。
地元の人たちを見ていると、ビーチの使い方がはっきりしており早朝(6:00〜8:00)か、夕方(16:30以降)。この時間帯は、気温も落ち着き、海風も心地よく子どもを遊ばせるにも最適。ちょっと早く起きて”朝活”してみるのも良いかもしれません。
ダナン近郊へのデイトリップ|世界遺産が“日帰り圏内”
ダナンは近隣街へのアクセス拠点としても優秀で、ホイアン、フエ、ミーソン。それぞれ性格の違う世界遺産が日帰り、もしくは一泊圏内に収まっている。これは、拠点都市として考えたとき、かなり恵まれた条件です。
ホイアン|一度は見るべき夜の景色

ダナン中心部からは車で約40分。もっとも気軽に行ける近郊都市が、世界遺産の街・ホイアンです。夕方が近づくにつれて、人の流れが徐々に増え、日が落ちるころには、街全体がランタンの光に包まれます。この光景は、やはり特別で、「ホイアンに来た」という実感を一瞬でくれます。
ただ、夜のホイアンは正直かなり混みます。歩くペースも落ち、写真を撮るのも一苦労。そのためおすすめなのは、夕暮れ前に到着すること。
まだ明るい時間に古い町並みを歩き、カフェや川沿いをゆっくり眺める。そして日が落ち始める頃に、自然にランタンの時間帯へ移行する。この流れだと、昼と夜、両方のホイアンを無理なく楽しめます。
そして、ホイアンはテーラーの街としても有名で、スーツやドレスを短期間・低価格で仕立てることも可能です。ただし、完成までに数回のフィッティングが必要になる事もあるため、滞在日数が短い場合は「見学程度」と割り切った方が良さそう。
子連れの場合は、夜の混雑を避け明るいうちに町歩きを終えるプランがおすすめ。
フエ|歴史の重みを感じられる街

ダナンからフエまでは、車で約2時間。少し距離はありますが、その分、街の空気は明らかに変わります!フエは、ベトナム最後の王朝・グエン朝の都。王宮、帝廟、寺院が街のいたるところに点在し、ダナンやホイアンとはまったく違う、静かで重厚な時間が流れています。
もし時間に余裕があるなら、ダナン〜フエ間の鉄道移動も強くおすすめしたいところです。この区間は、ハイヴァン峠を越える絶景ルートで、海と山が交互に現れる風景は、「移動中なのに、ちゃんと旅をしている」感覚を与えてくれます。
フエに関してはダナンからの日帰りも不可能ではありませんが、史跡をじっくり見て回るなら、少し早めにダナンを出発するか、フエで一泊を検討してもいいかもしれません。
ミーソン聖域|暑さも含めて“遺跡体験”になる場所

ダナンから車で約1時間。ジャングルの中に点在するのがミーソン聖域です。レンガ造りの遺跡群は、派手さはありませんが、森と遺跡が溶け合う独特の雰囲気があり、アンコールワットと比較されることもありますが、こちらはより素朴で、人の手が入りすぎていない印象です。
注意点は、とにかく暑いこと。遺跡内は日陰が少なく、歩く距離もそれなりにあります。そのため、訪れるなら早朝にダナンを出発するツアーなどがおすすめ。
観光としての満足度は高い一方で、体力を使う場所でもあるため、体調や同行者の構成によっては、無理をしない判断も大切です。
ダナンという街を楽しむ為のまとめ
ダナンは、ビーチリゾートとして有名ではある物の、都市としての便利さもあり、少し足を延ばせば世界遺産級の体験にも手が届く。リゾートだけに振り切らず、都市観光ほど疲れもしない。そのバランスの良さこそが、ダナン最大の価値だと感じます。
ただし、何も考えずに行っても「それなりには楽しい」。一方で、少しだけ事前に理解しておくと、旅の満足度は驚くほど変わります。
宿泊エリアをどう選ぶか。食事でどこに注意するか。観光地を「いつ」「どう回るか」。そして、近郊都市をどう組み合わせるか。これらを押さえておくだけで、ダナンは「安くて近い海外」から、「また戻ってきたくなる街」に変わると思います。
ダナン観光で失敗しないためのチェックリスト
最後に、現地で困らないための最低限の準備を整理しておきます。どれも些細な事ですが、日本にいるうちに済ませておくかどうかで、現地でのストレスが大きく変わる事間違いなし!
スマートフォンの環境
Grab(配車アプリ)、Google Maps(地図)、Google Translate(翻訳)は、ダナン滞在における三種の神器です。空港に着いてから慌てないよう、日本でインストールと初期設定まで済ませておくのが理想です。
GoogleMapやGoogle Translateについてはオフラインでも利用できる機能が備わっているので、事前に設定を済ませておくとより安心です。
現金の扱い
ダナンではキャッシュレスも徐々に普及していますが、ローカル市場や屋台、個人商店では現金(VND)が基本です。特に小額紙幣は重宝します。桁の多い通貨なので、高額紙幣の出し間違いだけは意識しておきましょう。
天候への備え
雨季(おおよそ9〜12月)に訪れるなら、突然のスコールに備えてポンチョや濡れても問題ない履物があると安心です。乾季(2〜8月)は一転して日差しが強烈になるため、日焼け止め、帽子、サングラスはほぼ必需品です。
交渉に対する心構え
市場や一部の店では、交渉は特別なことではなく、文化の一部です。過度に構える必要はありませんが、「分からないまま流されない」姿勢は大切です。落ち着いて、納得できなければ断る。それだけで、トラブルの多くは避けられるのではないでしょうか。
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▼旅行予約サイトのクーポンまとめ記事
この記事を書いたのは
人気の場所から治安の悪い国まで様々な国に渡航経験があり。多い時はホテルに月間15泊以上、海外野宿・ゲストハウス、民泊から一流ホテル、クルーズ船まで大概制覇。英語は全く得意じゃないけど何とかなっています。

















