ダナン市内中心部(ハイチャウ区)に泊まって感じたエリアの特徴

「ダナンに泊まる」と聞くと、海が見えるリゾートホテルを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか!?実際、ダナンと言えばビーチリゾートのイメージがありますし、ミーケビーチは世界で最も魅力的な6つのビーチにも選ばれるほど。
ですが、もしリゾート体験だけでなく、「その街で過ごす感覚」を味わってみたいなら、あえてビーチから少し離れたダナン市内中心部(ハイチャウ区周辺)に泊まる、という選択肢はいかがでしょうか。
派手さはありませんし、南国リゾート感も正直かなり薄めです。その代わり、川沿いを歩く地元の人、夕方になると一気に賑わいだす食堂街など、飾りっ気のないベトナム-ダナンの空気が、じわっと伝わってきます。
今回はそんなハイチャウ区について、実際に泊まって感じたことを中心に、ビーチ側との違いや、向き不向きも含めてご紹介します。
この記事の目次
ハン川の西側に集まる、行政・商業・生活の中心地
ハイチャウ区は、ダナンを南北に流れるハン川の西側に広がるエリアです。市役所や銀行、オフィスビル、ローカル向けの商店などが集まり、いわばダナンの中枢という位置づけ。
空港からも近く、車で10分前後。到着したその日から観光を楽しめ、移動で疲れにくいというのは地味ですが助かるポイント。ビーチ側が「観光のための街」だとすると、こちらは「暮らすための街」でしょうか。
人が普通に暮らしている街
ハイチャウ区を歩いていて強く感じたのは、観光客よりも地元の人のほうが圧倒的に多いという事です。朝は通勤・通学なのかバイクが一気に増え、昼は近所の人?がサッとフォーを食べに出ています。夕方になると家族連れが川沿いを散歩してたりと…
観光名所らしい看板や写真スポットは少ないですが、その分、日常の匂い…というか、排気ガスと屋台の匂いが混じった、東南アジア独特の雰囲気があります。
フランス植民地時代の街とチューブハウスが混在
街並みもビーチ側とはかなり印象が違います。フランス統治時代の名残を感じる低層の建物や、細長い間口のチューブハウスが並ぶ通りがあり、新しい高層ビルは海沿い程目立ちません。
川沿いのバクダン通り周辺は比較的整っていて、夜になるとライトアップされた橋と、屋台の明かりがいい雰囲気になります。一方で、一本裏に入ると一気に生活感が強くなり、洗濯物がぶら下がっていたり、路上で食事している家族がいたり…
その為、英語が通じない場面も普通にありますし、メニューが読めずに指差し注文になる事の方が多いです。ただ、その分ベトナムという国を旅行している感は強くなります。
市内エリアは南国リゾート感は薄い

はっきり言うと、ハイチャウ区には「ザ・南国リゾート」的な感じはありません。海は見えませんし、ヤシの木が並ぶビーチロードもありません。
その為、ビーチリゾート的な写真映えを重視したい、ホテル周辺だけで完結したいという人には、少し物足りなく感じる可能性はあります。
実際に泊まって感じたメリット|便利さとローカル感のバランス
ハイチャウ区(市内エリア)に泊まって、まず感じたのは、生活に必要なものがほぼ徒歩圏で完結するという点です
ハン市場やコン市場といったローカル市場はもちろん、ミニマートや中規模スーパー、カフェ、食堂が点在していて、
「ちょっと水を買いに行く」「今夜は軽めに外食したい」といった用事が、わざわざタクシーやGrabを呼ばなくても済みます。
もちろんビーチ側でもレストランやコンビニなどは充実しており、短期の観光滞在では徒歩でも困りません。
しかし、ちょっと大きなスーパーに行きたかったり、観光地価格でないローカルなレストランで食事をしたいとなると基本タクシーになります。
子どもと一緒だと、移動ひとつ減るだけで体力の消耗が全然違うので、この点はかなりのメリットです。
Grab移動がとにかく楽で、空港からも近い
生活に必要な物が徒歩圏内で完結するとは言っても、観光で訪れた場合はもちろんGrabを使います。(別記事で詳しく書いていますが、ダナンではタクシーではなく原則信頼できるGrabを使うのが安全です)
そしてハイチャウ区はGrabが捕まりやすい印象でした。車両数が多いのか、配車待ちでイライラする場面はほぼなし。ビーチ側や郊外と比べても、反応はかなり早かったです。
そしてもう一つ、空港から近いというのも見逃せません。
到着日は、入国審査や荷物待ち、慣れない気候や言葉の壁で思っている以上に疲れます。そこから10分前後でホテルに着けるというのは、特に夜着の便だと有難いです。
移動が楽という強みを生かして、ホイアンなどの周辺都市の観光がメインの場合はダナン市街を拠点にするのがお勧めです。
ローカル食堂の価格と、意外な安心感
食事面でも、ハイチャウ区はかなり融通が利きます。観光客向けの店もありますが、少し外れると地元の人が沢山入っている食堂が見つかります。価格はビーチ側より明らかに安く一品あたり数万ドン台が中心。
でも正直、いきなりローカルな食堂に入るのって勇気がいりませんか?私も最初はビビッて手を出せませんでしたが、人が多く入っている店は、味も衛生面も安心でき、メニューが読めなくても、指差しやジェスチャーで何とかなります。
朝は近くでコーヒーを飲んで、
昼は市場をふらっと覗いて、
夕方は川沿いを歩いて、
夜はその辺の食堂に入る。
もしスケジュールに余裕があればそんな現地の人風な過ごし方をしてみるのも良いかもしれません。観光地を効率よく回る、というより街の中で時間を使うという過ごし方が合うエリアです。
ダナン市内エリアのデメリット、観光客が躓きやすいポイント
ダナン市内エリアでまず戸惑ったのが、交通量の多さ。特に朝と夕方は、バイクの流れが一気に増えます。信号はありますが、日本の感覚で横断しようとすると少し怖い思いをします。
歩道があっても、バイクが停まっていたり、屋台がはみ出していたり。段差も結構ガタガタなのでベビーカーでの移動は正直楽ではありません。
特に子どもと一緒だとと常に気を配る必要があり、この点はビーチ側より気疲れしました。
建物が密集している分、騒音や雑多感はそれなりにある
ハイチャウ区は、建物がぎゅっと詰まっています。その為、どうしても音と匂いが多いです。朝はバイク音、昼は工事やクラクション、夜は食堂や屋台の声。
ホテルによっては、窓を閉めても外の音がそれなりに聞こえる事もありました。排気ガスの匂いが気になる事や、屋台のにおいも決して良い匂いばかり…とは、私の場合はいきませんでした。
「静かな南国リゾートでのんびり…」というイメージを強く持っていると、この雑多感はストレスになる可能性があります。
ビーチまでは毎回移動が必要、思ったより面倒
ハイチャウ区に滞在している場合、ビーチへ行くには、毎回Grabでの移動が必要になります。距離自体はそこまで遠くありませんが、「ちょっと海を見るだけ」という使い方はしにくいです。朝や夕方に、ふらっとビーチを散歩したい人には、この点ははっきりデメリットです。
これは完全に自分の話ですが、最初にダナンへ訪れ市内エリアへ滞在した時は正直こう思いました。
「……あれ? 思ってた南国と違うな」
海も見えないし、ホテル周辺はローカル色が強く英語もあまり通じない。写真で見ていたダナンのイメージと、目の前の景色が違いすぎたのを覚えています。
子連れだと、地味に積み重なるストレス
子連れだからと言って市内エリアが不向きという事は決してなく、大きな問題がある訳でもありません。ただ、小さな「気を使う場面」が多くあります。
例えば、道路横断時に子どもの手をしっかり握らなければいけなかったり、店選びで少し慎重になったり。ビーチ側に比べると、どうしても不安要素は多くなります。
その為、「とにかく楽をしたい」「リゾート感を感じられる場所がいい」という場合は、ハイチャウ区は最適とは言えません。
雨季に泊まるなら必ず知っておきたい洪水リスク
ダナンは一年を通して穏やかなイメージがありますが、9月から12月(特に10月・11月)にかけて雨季となり、台風の影響を強く受けます。ハイチャウ区は海沿いではない分大丈夫そうに見えますが、実は雨が集中すると水が溜まりやすいエリアでもあります。
短時間に強い雨が降ると、道路が一気に水浸しになり、歩道と車道の境目が分からなくなるという状態は、昨今は正直珍しくないです。
Nguyen Van Linh周辺は要注意
空港から市内へ向かうメインストリート、Nguyen Van Linh通り周辺。ここは立地的に便利で、ホテルも多くつい選びがちなエリアですが、実際は冠水しやすい低地でもあります。
僕は雨季の滞在経験は無いのですが、ちょうど滞在していた知人の話によると夕方から夜にかけて強い雨が降り、数時間で道路が川のようになったそうです。
その時、運よくGrabを手配する事ができましたが、水しぶきを上げながら進む感じで「これ、歩きは無理だな…」と思ったそうです。
2025年10月には、過去数十年で最大級の豪雨が発生し、ダナン市内で広範囲にわたる冠水被害が発生しました。
1階客室の宿泊施設はリスクが高い
雨季にハイチャウ区(特にハン川近く)で1階客室は避けた方が無難です。もし雨季にハイチャウ区へ泊まるなら、最低限、以下は確認しておきましょう。
・客室は2階以上か
・入口(ホテルエントランス)が道路より一段高くなっているか
・雨季レビューで洪水言及がないか
・大通り沿いでも低地ではない位置か
「安いから」「立地が良さそうだから」だけで選ぶと、雨の日に一気に不便さを感じる事になる可能性があります。
ダナン市内中心部(ハイチャウ区)エリアのまとめ
ここまでハイチャウ区の良い面も、悪い面も書いてきました。実際、僕自身が泊まってみて感じたのは、ここは刺さる人には深く刺さるけど、合わない人にはとことん合わないエリアだということでした。
ハイチャウ区は、写真映えする南国リゾートではありません。南国リゾートを強く期待していると、そのギャップに戸惑う可能性もありますし、雨季の洪水リスクや交通事情は、事前に知っておかないと「思ってたのと違う」と感じやすい部分です。
だからこそ、このエリアは万人向けではないけれど、合う人には深く合う場所ではないかと思っています。ダナンの他のエリアについては別記事でまとめていますので、自分に合ったエリア選定の参考にして下さい。
■ダナンの各エリアごとの特徴をまとめたページはこちら
■ミーケビーチエリアの詳細はこちら
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この記事を書いたのは
人気の場所から治安の悪い国まで様々な国に渡航経験があり。多い時はホテルに月間15泊以上、海外野宿・ゲストハウス、民泊から一流ホテル、クルーズ船まで大概制覇。英語は全く得意じゃないけど何とかなっています。
















