Trip.comの空販売問題、トラブル後の対応から見える信頼性は?
Trip.com(トリップドットコム)による架空の部屋販売(実際には空室の無い部屋を空有として高額で販売・空販売)がメディアで報道されました。
その後Trip.comは対応窓口を設け、返金および賠償およびトラブルの原因となった全容の説明などを行った上で2018年12月13日中に全ての問題のある予約に対して対応を終える予定と発表しました。
この問題の概要については以下の速報関連記事をご参照ください。
販売店制度の仕組み
「中国企業だから・・・」「Trip.comは詐欺」という記述を見かける事もありますが、今回の件に関してはTrip.com側に管理体制の落ち度はあるものの黒幕は販売業者(いわゆる下請け業者)でした。
そもそもTrip.com(Ctrip)は売上高で世界トップ3に入る超大企業。そんな企業が直々に数百万円の利益目的でハイリスクな行為を行うメリットはありません。
Trip.comで部屋が販売される仕組み
Trip.comで販売されている全てのホテルとTrip.comが直接契約し、部屋を調達している訳では無く
・Trip.comが直接契約するホテルの宿泊プラン
・Trip.comと契約する販売会社(下請け)が取り扱う宿泊プラン
これら2種類が販売されています。
今回はこの契約する販売会社のうちの10社に疑惑が見つかり、その10社経由で予約を行った403件の予約に問題が発生してしまいました。
問題のあった10社について具体的な業者名は公開されていませんが、観光庁に対して資料を提出済みとの事なので存在したのは事実、契約は中国本社側で行っていたらしいので、日本の業者ではないのでしょう。
販売会社提供プランが分かるように
以前まではこのような表記は無かったように記憶していますが、現在はプラン画面にて【Trip.comパートナー提供】との表記が加わり、どのプランが販売会社(下請け)経由での予約になるのかが分かるようになっています。
リクエストベースの予約がトラブルの原因
この販売会社制度と併せて「リクエストベースの予約」という物の存在が余計に事を複雑にしてしまいました。
リクエストベースの予約とは
確実な空室状況が分からない状態で予約を受け、宿泊施設に確認後、もし空室があれば予約が確定。無ければ自動でキャンセルが行われ、例え返金不可の予約であっても全額返金されるという仕組みです。
日本では一部の業者を除きこのリクエストベースの予約を行っている業者は見かけませんが、IT化が進んでおらず正確な空室状況を把握するのが難しい途上国などを中心にこの方法を取り入れている旅行代理店が多くあります。
この制度により発生した問題
この制度がある事により、例え満室の部屋であっても自社と契約の無いホテルであっても、ひとまずプランを出してしまい「もし申し込みがあれば知り合いの業者などを当たったり、キャンセル待ちを狙ってみよう」と考える販売会社が現れました。
そこまでは制度上問題の無い事なのですが、今回問題に上がった10の販売会社は実際に部屋の確保できていないにもかかわらず「部屋が確保できた・予約確定」と虚偽の連絡をし、それによって架空の予約が出来上がってしまうという事態になってしまいました。
Trip.comの対応
問題の発覚とTrip.comの対応を時系列で見て行きたいと思います。
- 12/1
空部屋販売問題をメディアが指摘 - 12/4
Trip.comでトラブルの一因になっていたリクエストベースの予約を一旦停止 - 12/6
Trip.com公式サイトでこの問題についての発表と対応窓口の設置 - 12/10
予約が確定済みにも関わらず実際には部屋の確保ができていない問題のある予約が10社により403件あったとの調査結果および返金・賠償方針を発表 - 12/12
403件のうち366件は間違いなく契約通りの部屋の確保を行ったと発表。残りの37件はキャンセルを行い
・同宿泊施設or近隣宿泊施設の上位プランに差額負担なく振り替え
・全額返金&1泊目の宿泊金額の3倍相当を賠償
何れかの対応を17件の予約に対して対応済と発表 - 12/13
残っていた20件の予約に対しても上記対応を完了し、全て完了。
執筆者の私個人的には中国企業や中国製品に対してやや不信感を持っている側の人間ですが、今回Trip.comにおけるトラブル発覚後の対応速度や対応内容は十分評価に値する物だったと思えます。
唯一問題を挙げるとすれば、この問題発覚以前(~12/1)に同業者経由で予約を行い、実際に宿泊できなかった人の事でしょうか。
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Trip.comは予約しても良い安全なサイトなのか
リクエストベースの予約というのは世界的に行われている事で、下請けが存在すのも外資系ホテル予約サイトでは一般的な事。つまり他のサイトでもこのような事件が起きる可能性は十分にあります。
Trip.comを運営するCtripの日本法人であるCtrip Japanが国内で旅行業登録しており、観光庁の立入調査が実施された事や日本国内のサポートセンターを設置していた事なども重なってか非常にスムーズな対応となりましたが、
ほぼ同時期に大量キャンセル問題を起こしていたHotelQuicklyの対応を見れば一目瞭然、今後問題があったとしても企業としての対応にはある程度信頼感が持てます。
「今後問題があったとしても」と含みを持たせたのは、Trip.comについてやや気になる内容がまだあるからです。
しかしそれを考慮しても他の外資系ホテル予約サイトよりかは安全でお勧めできると言わざるを得ません。
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この記事を書いたのは
人気の場所から治安の悪い国まで様々な国に渡航経験があり。多い時はホテルに月間15泊以上、海外野宿・ゲストハウス、民泊から一流ホテル、クルーズ船まで大概制覇。英語は全く得意じゃないけど何とかなっています。